舞妓さんのおこぼ

舞妓さんのおこぼ

20年前の5月30日。

私が店出しをした日です。神戸の震災の翌年で世の中はちょっとひっそりしていました。今日から自分を振り返る意味も含めて、このブログでたまに思い出を書いてみようかと思います。

花見小路をこぼ、こぼっと音をさせて歩く舞妓さん。だらりの帯との絶妙なバランスがなんとも可愛いですよね。舞妓さんに出てすぐは中に鈴が入っていて、かわいらしい音がするのですが不思議と髷のかわるころには知らない間に鈴が取れてなくなって。片方ずつ、いつの間にやら音がしなくなるのを寂しく思ったことを思い出します。鼻緒も赤からピンク、薄紫や水色とどんどん落ち着いた色目になっていきます。小さい舞妓さんのときはお茶屋さんの玄関に薄紫や水色の鼻緒があるともう緊張して・・・どのお姉さんが来てはるのやろ・・・とドキドキ。たった、3つ、4つしか変わらない歳ですが、雲の上のような存在でした。

 


歩きにくそうに思うおこぼですが、諸説のうちのひとつに舞妓さんの帯が重たいために、わざと前のめりになる履物のしたと聞いたことがあります。なるほど、衣装をつけて歩くと歩きやすいのです。これも先人の知恵なのでしょうね。

同期の舞妓さんで夜の花見小路をどっちが早いか、次の電信棒までかけっこして怒られたのもいい思い出です。

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コメント: 2
  • #1

    紫陽花 (火曜日, 31 5月 2016 23:19)

    見た目はかわいいけれど、いかにも歩きにくそうと思っていた舞妓さんの「おこぼ」は「だらりの帯」との間で微妙なバランス関係を保っていたのですね。。。少し前から過去のブログを拝見していましたが、京都祇園を基盤に魅力的な商品とともに、背景となる伝統文化を発信されているので、とても興味深く拝見しています。これからもいろいろご紹介いただけるとのこと、とても楽しみにしています。
    私も、学生時代を過ごした京都を今一度見直してみようと思います。これからも頑張ってくださいね。
    応援しています。。。

  • #2

    ちひろ 向日葵 (水曜日, 01 6月 2016 13:00)

    何とも可愛いエピソードですね 電柱まで舞妓さんの衣装で それもおこぼで走られたなんて 笑
    おこぼの鈴が新米さんの時には入っているのは想像つきましたが自然に抜け落ちて無くなるとは知りませんでした
    これからも コチラで いろんなエピソードをお話しくださるのを楽しみにしておりますo(^▽^)o